バスコートのある家 岐阜市T様邸

岐阜市にある閑静な住宅街。
北側道路に面した敷地で、ガレージや外部物置、水廻りなどを道路からの視線に入れたくない、書斎以外の部屋は全て南面したい、収納は出来る限り多く…。
限られた敷地条件と施主の高い要望の中でまとめあげた。
北側道路の敷地の場合、居室を南面させようとすれば当然水廻りが北に配置される。玄関のすぐ横に浴室や洗面室、トイレなどが配置されるのだが、客として玄関に立つと、なかなか緊張するものである。洗面室の窓から中に干してある洗濯物が見えたり、玄関に入った時、トイレから出てきた家人と顔を合わせるなど、大変具合が悪い。また、駐車場に停めてある車の後ろにタイヤが積んであるのが見えたり、子供の自転車がアプローチにあって倒さないようにと思いながら玄関へ入るのも苦労する。

そこで2台分のビルトインガレージ、土間収納、玄関、水廻りをいかにレイアウトするか…


その答えが「バスコート」であった。


玄関と水廻りの間にスペースをつくり、アプローチと玄関ホールから眺められる前栽と、洗面室、浴室とつながるバスコートを設けた。
半径2m、高さ2.2mの壁で空間を分けて、その壁をアールにすることでどちらも広がりを持たせられた。
洗面室から出入りできるバスコートには、この家のシンボルツリーが植えられ、浴槽につかりながらこの緑が見えるようになっている。

もうひとつ、この家のポイントとなっているのが、玄関ホールから見える階段である。
巾広の階段をまっすぐ上がり、踊り場から左右に分かれていく階段で、勾配天井と吹き抜けの組み合わせで、開放的で明るい玄関になった。

また造り付けの収納や、ビルトインガレージの上部の小屋裏を利用した収納など、「適所適量」を考えた収納の提案が大変喜ばれている。
用途住宅
所在地岐阜県岐阜市
構造木造2階建
竣工2005年12月